偽装

去年は食品がらみの偽装が相次いだ。
そこへ昨年末、園芸業界もか!というニュースが入ってきた。
もう知っている人も多いと思うが、植物保護液「アグリクール」から無登録農薬であるアメバクチンという物質が検出された。
農林水産省からも回収の指示が出ている。
外国では使われているが日本ではいままで登録されたことのない農薬だそうだ。
どの液剤にも一定量混入(0.2%)されていることから、製造過程で偶然に混入したものでないことがわかる。

アグリクールはマメ科の植物、クララ(苦参)からの抽出液が主成分で「殆どの害虫に効果が有り,殆どの植物に使用でき,人と環境にやさしい商品です。」というのが売りだったように思う。
それに農薬が入っていた。それも故意に混入させた可能性が高い。
アメバクチンは化学合成農薬ではないようだが、外国では農薬として使用されている。
農薬ではない液剤に農薬が混入させていたのだから製造元の三好商事は偽装を行っていたことになる。
中には農薬ではないとして防護をせずに散布する人もいたことや、なにより植物保護剤の信用を失墜させた罪は重いかもしれない。

さて、実は私もアグリクールを使ったことがある。
3年ほど前に100mlの一番小さいのを取り寄せて試してみたのだ。
まずは指示通り1000倍希釈にて使用した。そしてその劇的な効目に驚いた。
これは植物保護液などと言うものではなくまさに殺虫剤だろうというのが正直な感想だった。
気孔を塞いで窒息させたり、脱皮を阻害するなどというものではなく、薬効だけで即死という感じだった。
さらに、その日の夕方帰っててきて驚くこととなった。かなりのバラの葉が変色していたのだ。
何日かするとつるバラのニュー・ドーンはすべての葉を落としてしまった。青くて若い茎にも斑点が残った。
しばらく使用を中止して、再び今度は2000倍希釈で使用してみた。
しかし、それでもいくつかの品種に薬害が出た。
最終的に4000倍まで確かめてみた。こんどは薬害は出なかったが薬効もなくなった。
現在、アグリクールは100mlの半分も使わず使用を中止している。
その劇的な効き目がアメバクチンのせいだったかどうかは知る由もない。

私は農薬の何であるか、また植物保護液とは何であるかを詳しく知っているわけではない。
植物保護剤であれ農薬であれ、薬効の仕組みや危険度、土壌残留の程度もさまざまだからだ。
それをひとつひとつ覚えることはかなりか難しい。
私は植物からの抽出成分だから安全だとも考えていないし、農薬だからといって極度に恐れているわけでもない。
植物保護剤といってもその薬効で虫を殺すなら立派な農薬といえるだろう。
それが無防備な人に安全なはずがない。
木酢だろうが重曹だろうが、少なくとも呼吸器に吸い込むことだけは避けなければならないと思っている。

どうも私が現在使用している「NEW碧露(へきろ)」と「緑豊(りょくほう)」からもこのアメバクチンが微量検出されたそうだ。
製造元の「三浦グリーンビジネス」からも年末に手紙が届いた。
ちょっと逆切れ気味の内容で笑ってしまった。
私は今のところ使用を中止するつもりはない。
ただ、他にも数多くある植物保護液には偽装がないことを祈る。
私としては植物保護液を作るメーカーに安全のイメージを売るだけでなく、
詳しい成分表示をされることを望みたい。

町並み01

町外れの丘の上から私の住んでいる地域の町並みが見える。
新しいレンズ(EF70-300mm F4-5.6 IS USM)を購入したのでそのテストを兼ねてあちこち走り回った。
あいにくの天気で満足な写真はなし。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

植物保護剤

私もアグリクールあります。
何事もいい加減な私はpotatoさんのように正確に計量したり
効果を追跡したりした事がないのですが、
残っているアグリクールをどうしましょう(笑)

木酢液も碧露も緑豊も
散布をする時には布のマスク(気休めですね)をしていましたが、
potatoさんのコメントのよう事になっていることを知って
今後は保護剤と言えども散布の時には用心に越したことはないなと思いました。


アグリクールのことは新聞で読みましたが、碧露のことは見逃していました。
「自然=安全」ではないと分かっていながら、
自然由来を謳う商品は安全に配慮しているようなイメージは、わたしも持っています。

アメバクチンは、「低毒性で生分解性にすぐれて」いるそうですから、
人体・環境被害という意味では大きくなかったかも知れませんが、
「ラインで混入」というのは、別の意味でマズいだろうと思います。
他のものが混ざる可能性もあるわけで。

報道されなければ購入者にわからなかったのですから、報道は必要です。
「保護液」はある程度、「安全」という信頼感を売っていたのですから、
報道に怒ってますという部分よりも、
正確な情報を流して信頼回復を目指す方が、購入者のためかなと思います。

わたし個人としては、この件で「保護液」という言葉の欺瞞に気づいたのが、
ひとつ収穫だったなと思っています。

sakuraさん
アグリクールは農薬だと思って使用することもできます。
含まれているアメバクチンは放線菌という土壌菌由来の農薬だそうです。
世界では広く使われているようです。
日本でなせ無登録なのかはわかりませんが、毒性の強いものではなさそうです。
放線菌は堆肥を作る時に使うEM菌と呼ばれるものの中にも含まれています。
白カビの一種で抗菌作用に優れていて土壌中の悪玉菌を減らします。

ハンドスプレーで低い位置に散布するのならマスクは不要ですが、
保護液であっても広い範囲や特に高いところに散布するときにはマスクは必要です。
こういうものは毒でなくとも必ず粘膜刺激があるのです。
碧露も緑豊も現在のものにはアメバクチンは入っていませんよ。

ぴぴんさん
そうですよね、イメージが先行してきたのが植物保護材と呼ばれるものです。
私はそろそろイメージだけでこういうものを売ることはやめたほうがいいと思います。
自然に害が無いことと人に害がないことは別です。
メーカーは危険性もしっかりと書くべきです。
ただ農薬ではないので農薬であるような表現ができないこともあるようです。
農薬成分が入っていなくともそれに相当する物質が含まれていることもあります。
経験的な効能ばかりでなく、科学的な分析を進めたらどうなんでしょうね。

現在の一般的な農薬は大体「低毒性で生分解性にすぐれて」います。
正しく使えば土壌にも残らないし害も無いものも多いのです。
ただし一部には、危険な劇薬があることも確かです。
土壌燻蒸剤などはほぼ毒ガスです。
植物保護液といえどもも使用法を間違えば事故がおきる可能性もあります。

報道が正しいかは疑わしいこともありますよね。
碧露の三浦グリーンビジネスも必死に風評被害を止めようとしていますが、実際どうなのかということは私たちにはわかりにくいものです。
農薬混入のような偽装されたものは別として、植物保護液は効能もの保証も危険性の確認もすべて自己責任の範疇にあります。
自分で確かめてが原則だと私は思います。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。