おくりびと

相方の誘いもあって、映画「おくりびと」を見てきた。
ストーリーについてはネットで検索すれば数多出てくるのであえて書かない。
映画で面と向かって死を題材にするのは意外と難しい。
演技過剰になったり、テーマや意味をどこかで説明しまうこともままある。
いつの間にか焦点が定まらなくなることもある。

いままで「いかに死ぬか」というテーマを扱ったものは多いが、この映画ははそうではない。
映画は納棺師という変わった職業にはからずもついてしまった主人公の心の変化と成長と描いている。
納棺師とは死者の体を清め旅立ちの衣装に着替え化粧をして棺に納めるのが仕事だ。
これを家族の目の前で一種のパフォーマンスとして行う。この所作が美しい。

本木雅弘の抑えたながらも内面がにじみ出るような演技には感心させられた。
チェロの演奏や納棺師の所作が素晴らしくどれだけ練習したものか想像に余りある。
以前も良かったが、更にいい役者になったなぁと思う。
また山崎勉の演技にはさすがとうならされる。
笑いのほとんどは山崎によるものでその後に憎いセリフが待っていた。
脇役陣も素晴らしかった。

死を扱ったもので重くなりがちなテーマでありながら、
見終わった後は心洗われる気持ちにさせられた。
これはセリフをギリギリまで絞り込んだ小山薫堂の脚本もよかったが
滝田洋二郎監督のツボの押さえどころが見事だったということだろう。
笹野高史の「死は門のようなもの」という言葉がこの映画の使命を語っている。

実を言うと、私が納棺師の所作を見たのはこれが初めてではない。
今年の7月、私は母を送った。
そのとき二人の女性によって納棺の儀式が行われた。
はじめて見る洗練された動きと美しさに感心したものだ。
映画を見ていて登場する死者の家族と私自身がかぶって見えた。

納棺師の所作はほとんど映画で見たものと同じものだった。
大きく違ったのは、母の場合バスタブの中で体を洗われたことだ。
すべての動作は顔以外の素肌は見せずに行われた。
映画の中で葬儀用の写真をしっかり見て化粧をする場面があった。
母にほどこされた化粧は普段と違っていた。
しかし、一同みな驚いたのはあまり似ていないと思われた母の姉そっくりになっていたことだった。

08美瑛10
映画で山形から見た鳥海山の風景が美しかった。
この写真は美瑛から見た大雪山。
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コメント

非公開コメント

こんばんは。
この映画、私も見たいと思っています。
茶道などもそうだと思いますが、美しい所作というのは
非常に精神的なものが関与していると思いますね。
映画もなかなか見に行くまでいかない(レンタルを待とう!なんて思っちゃって)
んですが、これは見なくては!!

すみごんさん
この映画はお勧めです。
わたしも進んで映画を見に行かないほうなのですが、
これは見たいと思っていました。
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