「薔薇」という漢字を考える その2

「薔」「薇」という漢字がそれぞれ「バラ」意外に使われているのを見たことがない。
違う使われ方は実際に存在するのか、あるいは「薔」や「薇」単体での意味は何なのか。
それが最初の発想だった。

4.単漢字の「薔」「薇」は何と読みどういう意味なのか。
「薔」を調べてみる。
この文字は昨日も書いたが中国から入ってきたときのまま「薔薇」にしか使われていない。
つまり日本では「薔」単体での意味・用法はない。
従って訓読みは存在せず、音読みは「ショク、ソク、シキ、ショウ、ゾウ」などだ。
時代によって読みはさまざまに変化したようだ。
文字の由来は「細長く伸びる」 という意味を表す中国語『艸檣』の略体文字だそうだ。
「艸」は草を表し、「檣」は帆柱の意味がある。
これが合体して「薔」となった。
中国での意味は略体化する前の「細長く伸びる」の他に「みずたで」という植物を表している。
日本語では「水蓼」と書く。
「薔」を分解してみる
ここで部首を分けて「嗇」という部首に注目してみる。
実は「嗇」は文字として独立している。
読みは音読みでは「ショク」、訓読みでは「しむ、やぶさか、とりいれ」
あれ?それは別な漢字があるだろうと思われた方もいるだろう。
そう「惜しむ」「吝か」「取り入れ」、意味は全く同じだ。
また「ぐるりと取り囲む」の意味がある。
熟語では
「繊嗇」(せんしょく):金銭にこまかい。けちで、ものおしみをすること。
「吝嗇」(りんしょく、けち):極端にもの惜しみすること。けち。しみったれ。
この字と他の部首を組み合わせた文字はを並べてみる。
「薔」 音読みは上記の通りだが、訓読みでは「みずたで」「ばら」という記述をするものもある。
「檣」(音:ゾウ、ショウ 訓:ほばしら) 意味:「帆柱」
「穡」(音:シキ、ソク、ショク 訓:とりいれ) 意味:「取り入れ」。
「墻」(音:ゾウ、ショウ 訓:かき(垣)) 意味:「かきね、壁」
「艢」(音:ゾウ、シヨウ 訓:とも、ほばしら) 意味:帆柱、「とも」とは「艫綱(ともづな)」の「艫」のことのようだ。
さんずい+嗇」(音:ショク、シキ、シュウ 訓:とどこおる) 意味:「渋い、滞る」
おんなへん+嗇」(音:ショウ、ゾウ、ショク、シキ 訓:そばめ) 意味:「そばめ、側女・側妻」
(上のふたつ、Firefoxなら表示できるのにエクスプローラーでは表示できない)
ぐるりと取り囲む意味がなんとなく分かる。
訓読みもあるが、あくまでも中国語の意味から取ったものではないだろうか。
調べたのは「漢字 - ウィクショナリー日本語版」「英語版」だ。

「薇」を調べてみる
「薇」は音読みで「ビ、ミ」 訓読みで「ぜんまい」
山菜のゼンマイのことだ。
これも「艹」(くさかんむり)をはずしてみる。
「微」の字に似ているが若干違う。
漢字JISの第二水準にもないようだ。
漢和辞典を調べてみたら「微」旧字体だそうだ。
ということは「微」と同じと考えてよさそうだ。

「みずたで」「ゼンマイ」が合わさってどうして「薔薇」になるのか不思議は尽きない。
やってみて漢字の成り立ちを調べるのはなかなか面白かった。
面白かったが本格的にやろうと思ったら一筋縄ではいかないこともよくわかった。
最後に「薔」書き順を教えてくれるサイトを見つけたので紹介して終わりとする。

それから、昨日の「薔薇」という漢字を考える その1」は時間がなかったので急いで書いた結果不十分な内容となってしまった。
加筆、修正したので一度読まれた方も再読していただきたい。

今日は薔薇と何の関係もない写真。
1007サクランボ01
裏のサクランボが色づいた。
おいしそうだなと思っていたら、さっそく今日いただいた。
例年ならあと2件からいただく予定だ。
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コメント

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漢字をばらしてみる、というのはおもしろいですね。
確かにばらしてみるとわかることも多いような気がします。
が、結果的に「薔薇」の場合はばらしても(!)さらにわからなくなる、と
いうことでしょうか。
こういった研究を読むのは楽しいです。自分でやらないくせに〜(^.^;)
当て字って、どうしてその字を当てたのか不思議でならないことがけっこう
ありますよね。

実は「嗇」も上下に分かれるんですよ。
「ぐるりと取り囲む」の意味がその辺にあります。
はっきりいって意味はどんどん薔薇から離れていきます。

当て字はほとんどの場合中国の漢字と日本の読みをくっけたものや読みに合う漢字を当てたものがほとんどですよね。
植物から探してみても山ほど出てくると思います。
女郎花, 万年青, 金盞花, 向日葵, 玉蜀黍, 土筆, 李, 柘榴. 菫, 独活, 桔梗, 枇杷, 豌豆, 紫雲英, 百日紅, 石楠花. 銀杏, 公孫樹, 木耳, 仙人掌, 松毬, 杜若, 芋茎, 芥子. 柚子, 芒, 無花果, 茗荷, 馬酔木, 合歓木, 沈丁花
いくつ読めます?

中には上手いこと当てたなぁと思わせるものもありますが、全く意図不明も多い
ですよね。

仕事上いろいろ調べたりするのですが、「紫雲英」だけはわからんかったです(^.^;)

>「紫雲英」だけはわからんかったです
私はそれに加えて「芋茎」と「芒」もです。
見た目からつけた名前も多いですね。
それぞれ元をたどると面白いことになるのでしょうね。
「独活」は何でこの字なのか、いつも思います。
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